事業承継(事業を誰に引継ぐのか)

はじめに

 事業承継といえば、先代経営者の子供に引継ぐというのが最も一般的であるかと思います。私たちもお客様の前で、事業承継のことを話題にするときに、お子様がいらっしゃることが分かっていれば、「将来は息子さんが後を継がれるのですか?」などの質問をすることが多いのですが、必ずしも肯定する答えが返ってくるわけではありません。例えば、ご子息がサラリーマンとして活躍され幹部候補生として将来を嘱望されており入社する予定はないとか、会社の事業が構造的に需要が減少してゆき先が見通せない業種であるので子供を継がせたくないとか、必ずしも子供に継がせたいと考える先代経営者ばかりではないということです。その場合誰に引継ぐのかを考えなければなりませんが、親族内承継、親族外承継、第三者への承継の3つのパターンについて、メリット・デメリットを見ていきたいと思います。

親族内承継

 最も一般的なパターンであり、やはり、子供も小さいときから親が会社の経営者ということを意識して、何となく自分が将来会社を継ぐのだろうという意識をもって育ってきた人も少なくないと思いますので、心構えができていることと、従業員からもオーナーのご子息ということで、心情的に受け入れやすいということで一番メリットも多いと思います。そして、重要なことは事業承継というのは株式を引継ぐことで、それを引継ぐための財産が必要なのですが、オーナー家の一員としてその心配は最も少ないと思われます。デメリットは、後継者として決まっている人の能力と意欲に問題がある場合です。私も実際にメインバンクである銀行の方から、何とか子供に継がせることをやめさせたいという話を聞いたこともあります。先代経営者が有能だからといって子供が必ずしも有能とは限らないものですね。

親族外承継

 子供をはじめとして親族に継ぐ人がいない場合には、社内から後継者を選ぶことが多いと思います。例えば、先代経営者より10年以上年下の専務さんや番頭さんです。メリットは長年先代経営者と一緒に仕事をし会社の経営についてもよく理解しているこです。さらに業務にも精通しているのであれば周りの人望もあり従業員の理解も得やすいと思います。しかし、先代社長も身内でもなければ中々株式を無償で贈与というわけにもいかないのではないでしょうか。そうすると、先代社長から有償で株式の譲渡を受けるのが一般的ですが、後継者は、例え役員としてもサラリーマン役員ですから中々株式を取得する資金調達は難しいのではないかと思われます。

 

第三者への承継

 さて、親族にも親族以外にも事業を承継する候補がいない場合、先代創業者は会社を廃業するか、マーケットで会社や特定の部門に価値があるならM&A,すなわち会社を売却することも考えられると思います。その会社に技術力や商品力があったり、強固な販売網を有しているなど、会社の強みがあり、買収する会社にとってシナジー効果があれば会社が売却された後も、発展成長してゆき、従業員にとってハッピーであり、創業者も一定の退職金などを得てハッピーリタイヤーということになります。しかし、通常は会社の技術力には魅力があるが、その生産に係る従業員以外は余り必要ないということもあり、その雇用は中々保証されるものではありません。会社に残れたとしても、M&A後、新たに移った会社の企業文化に馴染めないということもあり、従業員にとっては必ずしもハッピーといえないことも多いと思えます。

最後に

 事業承継の準備は、先代経営者の生前でできるだけお元気な時から始めるべきものです。早く計画を立てることで選択肢も多くなります。事業承継のコンサルティングを始め、将来、贈与相続の納税猶予を受けるための特例承継計画の策定など、何なりとアレスコ税理士事務所の無料相談でご相談下さい。