中小企業者等の所得拡大税制について

 平成30年の税制改正によって、所得拡大税制が大変使いやすく分かりやすくなりました。中小企業者(資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人。同一の大規模法人に株式総数又は出資の金額の1/2以上、あるいは2以上の大規模法人に株式総数又は出資の金額の2/3以上を所有されている場合は中小企業等に該当しません。)の場合は、大企業のような設備投資要件もなく使えるため、賃上げを実施した青色申告中小企業等法人については多くの企業につき適用の可能性があると思われます。給与支給額の増加額の一定割合について税額控除が行われるためメリットも大きいかと思われます。
 それでは適用の要件について確認しましょう。

 まず、税額控除をどのくらい行えるのか確認しましょう。
雇用者給与等支給増加額の15%の税額控除が行われる場合と25%の税額控除の2パターンがあります。(いづれも適用年度の法人税額の20%までが限度です。)

次にそれらの要件を確認しましょう。
まず、両方に共通する要件は、適用年度の国内雇用者(役員の特殊関係者及び使用人兼務役員を除きます。)給与支給額が前年度の給与支給額より増加しているということです。要するに会社の給与支給額が前年より増えているかどうかです。

 そして15%の税額控除が認められるのは、適用事業年度と前事業年度全期間においての給与の支給を受けた国内雇用者について、適用事業年度の給与が全事業年度より1.5%以上増加している場合に認められます。
 次に、25%の控除が認められるのは、2.5%以上増加し、かつ、適用年度の教育費の額が過去2年間の平均の教育費に対して10%以上増加しているか、または中小企業経営強化法に規定する経営力向上計画の認定を受けるかいずれかを充足した場合に認められます。
 社員の方の給与支払い額が1.5%以上増えている場合には、この制度を適用できる可能性は高くなりそうです。年度末に向けて早めに適用の可否を検討することをお勧めします。